広島県三次市の中山間地にある旧三江線香淀駅。ログハウス風の六角形の駅舎が残る。周囲は人家が点在し、休耕田や竹やぶが目立つ。
駅舎内のスタンプ台の上には今でも「駅ノート」がある。最新のものは3冊目。廃線後も、訪れた人が旅の思い出を残す。
1冊目の1ページ目は、2016年12月5日の日付とともに「みなさん一言お願いします」の書き込みで始まる。3カ月前の同年9月1日、JR西日本が三江線の廃線を表明していた。
2冊目の表紙には「やっぱり遺(のこ)そうよ!三江線」の太い文字。三江線は18年3月31日で営業終了。その前後の書き込みが特に多い。さまざまな書き込みで埋まった2冊には延べ約400人が思い出などを記入。廃線後も、各駅舎などをたどったという書き込みが続く。
3冊目は17ページ目まで進んでいて、24年10月27日の書き込みが最後だった(3月5日時点)。
広島、岡山両県を結ぶ赤字ローカル線、JR芸備線の一部区間について、将来のあり方を探る議論が続いています。仮に廃線となった場合、地域はどうなるのか。廃線となったJR三江線(広島・三次―島根・江津)の地元の現状をリポートします。
記者がノートをめくっていると、23年6月24日に書き込まれたイラストが目に付いた。鉛筆書き。駅舎とともに、ソフトクリームを手にした女性が描かれている。
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